会場風景
展示作品
アウシュビッツへの旅
撮影者:東太郎
第二次世界大戦中にナチス・ドイツが作った強制収容所を巡る「私的な旅」と、当時、多くのユダヤ人等ナチスの犠牲になった人々がドイツ各地の強制収容所より最終目的地であるアウシュビッツへたどった「死への旅」をオーバーラップさせた作品展示。
1933年にナチスが政権を取りドイツ国内に最初に作ったダッハウ強制収容所(ミュンヘン)、強制労働を強いられたノイエンガンメ強制収容所(ハンブルク)、アンネの日記著者であるアンネ・フランクと姉の最後の地であるベルゲン・ベルゼン強制収容所(ツェレ)、生体実験室が現存したザクセンハウゼン強制収容所(ベルリン)、ドイツ国内に存在した4カ所の強制収容所を訪れ、そして、ベルリン郊外にあり、国内外各地の強制収容所へ向けてユダヤ人等の囚人を移送する為の貨物列車専用ホームであったベルリン・グルーネヴァルト駅17番線のメモリアルプレートをこの旅の起点とし、当時ナチスに占領されていたポーランドへ。
一日に1000体もの遺体を焼却出来る施設が当時のまま保存されているマイダネク強制収容所(ルブリン)、ヨーロッパ各地から集められたユダヤ人等囚人達の終着であり、ガス室が存在したアウシュビッツ/ビルケナウ強制収容所(オシフィエンチム)。第二次大戦当時、終着駅アウシュビッツへの「死への旅」とそれをなぞるように、現在を生きる私がドイツからポーランドを旅し撮影した作品をゼラチンシルバープリントで制作しました。
微力ですが、少しでも多くの人に、人類史上最悪の負の遺産であるホロコーストの存在とアウシュビッツビルケナウ博物館の現在を認識して欲しく、今回の展示を計画しております。よろしくお願いいたします。