Adobe Illustratorは行間の設定は1ヶ所で行いますが、Affinity Publisher / Designerは3ヶ所で行います。 それに関してまとめました。
テキストレイアウトを安定させるコツは「段落スタイルの設計を先に固め、手作業オーバーライドを増やさない」こと。この投稿では行送り、後のスペース、行送りのオーバーライドの最も効率的な使い分けを実務視点でコンパクトにまとめます。ベースライングリッドは扱いません。
結論(最初に)
- まず本文用の段落スタイルでフォントサイズと行送りを決める
- 段落間の余白は「後のスペース(必要なら前のスペース)」で作り、空行(空の段落)は使わない
- 行送りのオーバーライドは局所的な記号・インライン要素の例外だけ
- 微調整が複数回出るなら新しい段落スタイル/文字スタイルを追加し、直接いじらない
用語の最短整理
- 行送り(段落レベル): 同じ段落内で行と行の縦距離を決める
- 後のスペース / 前のスペース: 段落ブロック同士の間隔(外側余白)
- 行送りのオーバーライド(文字レベル): 選択部分だけ行送りを強制変更する例外ツール
なぜこの順番か
- 垂直リズム(読みやすさ)は「段落行送り+段落間スペース」で 8 割決まる
- 早い段階で手作業オーバーライドを散らすと、全体調整で“謎に変わらない行”が発生し時間を浪費
- 空行で余白を作ると後からサイズ変更や再フローで崩れやすく、検索置換も煩雑
使い分け早見
- 段落内部の行間を統一的に変えたい → 段落スタイルの行送り
- 段落間の余白を増減 → 後(前)のスペース
- 特定の 1 行だけ詰まる / 広がる → 文字サイズ調整 or ベースラインシフト → それでも無理なら行送りオーバーライド
よくある失敗
- 空白段落の乱用: 後から行送り変更でバラバラに
- オーバーライド濫用: 全体修正時に拾い漏れ
- 自動行送り頼みで想定より過密 / 過疎: 早期に固定値確認を
- 見出し余白を“前スペースあり後スペースなし”など混在させ混乱: チームで統一ルール化
運用チェックリスト
- 空白だけの段落が残っていないか
- 主要スタイルの行送りと段落間スペースが一貫しているか
- 見出し→本文の縦リズムが規則的か(目視スクロールで違和感ゼロか)
超短い覚え書き
行送り=段落内リズム
後のスペース=段落間余白
オーバーライド=本当に局所のみ
→ 先にスタイル設計、空行禁止、オーバーライド最小
まとめ
最速で整ったレイアウトに到達する鍵は「段落スタイル主導」「余白はスペース設定」「例外はスタイル化」「オーバーライドは最終手段」という一貫ルール。これだけで手戻りは大幅に減り、全体調整も恐くなくなります。ぜひ既存ドキュメントでも“空行とオーバーライドの棚卸し”から始めてみてください。